卓上ペンプロッタを作る その1(材料を集める)

はじめに

そういえばプリンター持ってないなぁと思って,最近こんなものをつくっています.

そう.ペンプロッタですね.

検索すれば多くの作例がネット上に転がっていて,数年前から作りたいと思って材料を集めつつ放置していましたが,なんだかモチベーションが湧いてきたので勢いに任せて諸々設計してみました.

話が長くなりそうなので,数回に記事を分けます.今回は材料集めについて書きます.

必要となる材料は3Dプリンタと共通のものも多いので,3Dプリンタの仕組みを理解するのにも役立ちます.

材料

では私が今回使った材料について整理していきます.ペンプロッタ本体に利用する材料と必要な工具類をあわせて紹介していきます.

ペンプロッタのフレームとネジ

フレームはネット上の多くの作例と同じく私もイチから設計しています.ネット上の作例を見ていると「これと同じようなものを自分で設計出来るのか・・・?」と戦々恐々としてしまいますが,今回は文明の利器3Dプリンタで誰でも同じフレームを利用出来るようにDMMへ出品しておきました.ちなみにDMM価格は9,000円くらいになっていますが,私にはコーヒー1杯分程度しか入ってきません...私の用意したフレームは6cmx6cmくらいの描画エリアしか無いので,仕組みが理解できたら自分で設計してみると良いかもしれません.本体の大きさは大体150mm(W)x150mm(D)x60mm(H)くらいになります.

フレーム各所のネジ穴などは直径2.0mm,2.5mm,3.0mm,4.0mmとなっています.DMMの3Dプリンタは精度が良いとはいえ微調整は必須になると思うので,穴の径に合わせてドリルを用意しておくと良いです.

また今回私が使っているネジはこれです.M2,M3,M4のネジが必要になりますが,このセットで必要数は揃います.ネジが結構小さいので工具セットもあると便利です.

いい感じの棒

なにそれと思うかもしれませんが,この部分です.

直径2.5mm長さ100mmの棒が4本,直径2.5mm長さ約490mmの棒が2本必要になります.私はこの棒を必要な長さに切って使っています.

2.5mmのステンレスをラジオペンチで切るのは結構辛いので,ミゼットカッターがあると便利です.

いい感じのバネ

なにそれと思うかもしれませんが,この部分です.

いらないボールペンから取り出しました.

ステッピングモータと線とコネクタ

X軸Y軸を動かす重要な部品です.3Dプリンタでは結構大型のステッピングモータを使っていたりしますが,今回は卓上サイズなのでDVDドライブに使うような小さいものを使います.

フレームはこのステッピングモータの形状を元に設計したので,手順をトレースする場合はできれば同じものを使ってほしいと思いますが,入手できなければ...うーん.頑張って探してください...需要があれば手持ちのモータの寸法などはお教えします.

Amazonの商品説明ではまともな仕様が書いてないので,実物で極性などを調べて使います.レビューを見るとみんな試行錯誤しながら頑張って使っている様子が伺えて面白いです.個人的にはyuki7様のレビューが結構ツボでポチッってしまいました.実際にモータにかける電圧や極性については別途説明します.

モータからフレキシブル基板が伸びていますが,そのままでは利用できないので自分で線をハンダ付けする必要があります.はんだごてセットを用意しましょう.安い適当なセットでも良いですが,個人的には白光推しで,コテ台に付いている金のモジャモジャはあると意外と重宝します.

線は24AWGのシリコンワイヤを使っています.線が柔らかくて配線の取り回しがしやすいのでおすすめです.

またモータを制御基板に接続するのにコネクタと圧着ペンチを用意しましょう.コネクタは後述のサーボモータでも利用します.

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いい感じの針金

なにそれと思うかもしれませんが,この部分です.

ステッピングモータの回転をX軸やY軸の移動として取り出すために使います.私の場合は直径1.2mmの鉄の針金をホームセンターで買いました.ステッピングモータの溝は大体0.7mmくらいなので,もう少し細い線の方が良かったかもしれません.溝に引っ掛ける部分は頑張ってラジオペンチで潰して寸法を合わせました.

サーボモータ

今回使っているのはPowerProのSG92Rです.

この製品はパチもんが多く出回っているみたいなので,ぜひ正規品を買ってあげてください.

制御基板と電源

CNCシールドV4を使っています.あまり設置場所を取りたくない場合には適しています.ArduinoUNO用のCNCシールドではモータドライバが4個実装できますが,XYプロッタでは2軸しか使わないのでこれで十分です.

あとで説明しますが,CNCシールドはGrblの仕様に基づいて設計されているはずですが,このCNCシールドは謎の実装になっている箇所があります.自身の目で確かめたほうが良いのでテスターの用意をおすすめします...昔はSANWAのテスターを使ってましたが結構使いやすくておすすめです.最近は598円でたたき売りしていた安物テスターを使っています...

CNCシールドV4の電源は7.5〜12Vらしいので,適当なACアダプタを用意してください.私の場合は壊れたHDDのACアダプタを流用しています.ちなみにセンタープラスです.

これは持ってないですが,おそらくCのアダプタプラグがちょうど良さそうです.

適当なボールペン

ボールペンは大体のご家庭で謎の備蓄があると思いますが,個人的には何色か切替えられるものがおすすめです.固定方法の詳細は組立時に説明します.

2020-10-11 追記

ありがたいことにこの記事を覗きに来てくれる人がボチボチいるようなので,追記しておきます.2020-10-11現在ペンの固定方法はまだ試行錯誤している部分です.本体が小さいのであまり複雑な機構はつけられません.簡単かつ少ない部品数でペンを留めるアイディアがあればぜひ教えてほしいです.今の所はマジックテープで留めるのが最有力候補です.

2020-10-14 追記

いろいろあってボールペンの芯だけ固定する方式になりました.

おわりに

ペンプロッタの主な材料と工具類を紹介しました.改めて必要なものをまとめると以下の通りです.

  1. ペンプロッタのフレームとネジ
  2. いい感じの棒
  3. いい感じのバネ
  4. ステッピングモータと線とコネクタ
  5. いい感じの針金
  6. サーボモータ
  7. 制御基板と電源
  8. 適当なボールペン

その他思いついたり変更があれば更新します.

思いのほかいい出来だったのでだれか人柱としてトレースしてくれると喜びますが,果たして需要はあるのか...

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