はじめに
これまで Anycubic i3 Mega(AI3M) のモータードライバ交換したり,ファンを交換したりして,静音化を図ってきた.
4K や 8K 対応 3D プリンタがかなり安価に手に入るようになってきている昨今.今更ながら AI3M をダイレクトエクストルーダー化する.
材料を用意する
必要な材料は次の通り.工具類やコネクタは省略.
- BMG エクストルーダーのクローン
- ステッピングモーター(17HS08-1004S)
- 前回用意した適当なブロア
- 前回用意したいい感じファン
- ダイレクトエクストルーダー MOD など
- AI3M DirectExtruder MOD
- Anycubic i3 Mega X-Carriage のベルトテンショナー
- Anycubic I3 Mega 5015 duct fan cooler ultrabase
- 5015Blowerduct Inverted version
- ちょっと手を加える必要があるかもしれないが反転していたほうがノズル見やすくていいかも
- 5015Blowerduct Inverted version
エクストルーダー MOD を作る
AI3M 用ダイレクトエクストルーダーのいくつかはインターネット上で公開されている.気になったのはこれ.はるかぜポポポ様の設計したエクストルーダー.リミックスも多数紹介されていて人気ぶりが窺える.
記事の中では BMG 対応リミックスも紹介されている.ひずみセンサを使ってノズルの先端でレベリング出来るのは非常に魅力的であるものの,専用のピエゾモジュールはなんとなくちょっと手を出しにくい.
ベルトテンショナーと BLTouch ステーは魅力的.Titan のクローンも入手可能ではあるものの,BMG を使いたい.ということで,moyashi 様のリミックスをベースに BMG 対応版を作る.
色々あってこんなかんじ.
3D プリンタに組み込む
頑張ってノズル周りを分解して,ダイレクトエクストルーダーを組み立てる.配線周りはいずれ固定する.
ノズル部分にはテフロンチューブを仕込むが, BMG のノズル側にテフロンチューブのさきっちょが挿さる様にしておくと良さげ.
BMG はギアを使っているので,そのままコードの色どおりに配線すると押出方向が反転する.ここでは一旦配線を反転させて動作を合わせる.次回ファームウェア側で動作を反転させる.
ファームウェアチューニング
設定は,Arduino IDE でも良いし,Repetier-Host を使っても良いし,バイナリレベルで変更しても良い.とりあえず今回はシリアルから変更する.私の環境では最初に Cura で AI3M にシリアル接続状態にして,Arduino IDE のシリアルモニタを起動したら接続できるようになった.
チューニング観点ははるかぜポポポ様のページでも言及されているので必読.特に BMG はギア比 3 対 1 なので,押出量を増やしてあげる必要がある.設定は,モータードライバ交換のついでに Marlin を導入しているので,Marlin のコマンドを使って押出量を増やす.設定値は適当にキャリブレーションして探ってください.多分 400 前後あたりになるかも.
> M503 # 設定確認
<中略>
echo: M92 X80.00 Y80.00 Z400.00 E92.60 # デフォルトだと E92.60
<中略>
> M92 E415 # 押出量を 415 に増やす
> M500 # EEPROM に設定保存
> M503 # 設定確認
<中略>
echo: M92 X80.00 Y80.00 Z400.00 E415 # 押出量が増えている事を確認
<中略>
おわりに
ダイレクトエクストルーダー化して,まだ印刷数は少ないのでなんとも言えない部分があるものの,劇的に印刷性能が向上したかと言うとそうでもなような気もする.もうちょいチューニング進めれば良くなるかな.要経過観察.BLTouch はまた後日.
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