Fedora 36 + KDE Plasma + Wayland + NVIDIA

はじめに

これまでメインのデスクトップ環境は CentOS7 + Cinnamon + NVIDIA を使っていて,kernel も kernel-ml で最新化していた.しかしながら各種ライブラリが古く,新しいソフトウェア導入の妨げになることが多々あり,サポートも 2024 年までということで,そろそろ乗り換え先を思案していた.

Arch も SUSE も魅力的ではあるものの,なんやかんやで Fedora がいい気がしてきた.CentOS7 + Cinnamon は度々ブラックアウトすることがあったが,Fedora ならライブラリ周りで断念していた KDE Plasma が利用できるのでせっかくなので乗り換えてみる.

Fedora 導入

Fedora を選んだ理由はいくつかある.RHEL のアップストリームとして CentOS とも似たような操作感だし,デスクトップ環境がプリセットされた ISO も提供されているのですぐに試せる,などなど.一方で ナンバリングされた Fedora は Arch のようにローリングリリースではないので,長く使えば必ずアップグレードする手間が必要になる.Fedora Rawhide ならローリングリリースではあるものの,いろいろ最新すぎるとそれはそれで手間なので,アップグレードの手間は許容することにする.

ということで,今回選択するのは Fedora Snips から KDE Plasma を選択する.USB なり 光学ディスクなり,適当な媒体に ISO を焼いて,インストールをすすめていく.

Fedora Spins | The Fedora Project

※dd の出力先は環境に合わせて指定してください.

$ sudo dd if=./Fedora-KDE-Live-x86_64-36-1.5.iso of=/dev/${出力先デバイス} status=progress

ライブイメージなので,まずはお試し環境のデスクトップが表示される.KDE Plasma の標準 ディスプレイサーバプロトコルは X11 ではなく wayland となっている.wayland はまだ NVIDIA GPU と相性が良くない部分があるので,NVIDIA GPU 環境ではまずは X11 で起動してから環境整備を行ってから wayland に切り替える.

画面に従いインストールを進める.

NVIDIA GPU 環境では OS インストール後も wayland を使う環境整備が終わるまでは X11 を利用すること.標準でインストールされているコンソール Kconsole を使って諸々整備を進めていく.

一応 Fedora 36 が入ってることを確認.

$ cat /etc/fedora-release 
Fedora release 36 (Thirty Six)

日本語環境でインストールすると,ホームディレクトリ内のディレクトリ名も日本語になってしまう.まずはこれを英語ディレクトリに変更する.Dolphin も日本語ディレクトリを参照するようされているので,参照先を変更してあげる必要がある.

$ LC_ALL=C xdg-user-dirs-update --force
$ rm -r ダウンロード/ テンプレート/ デスクトップ/ ドキュメント/ ビデオ/ 音楽/ 画像/ 公開/

パッケージを最新化する.

$ sudo dnf -y update

日本語入力環境を整備する.デフォルトでは iBus が選択できるが,好みの問題で,fcitx5-mozc を利用する.CentOS7 のように自分でビルドしなくて済むのは助かる.少し情報古いが,一応ビルド方法も載せておく.

fcitx5 と mozc をインストールする.今回は imsettings-switch で IM を変更しているが,GUI で選択したい人は im-chooser を使ってもいい.IM 変更後は再ログインが必要だが,どうせ後で再起動必要なので一旦そのまま進める.

$ sudo dnf -y install fcitx5 fcitx5-mozc
$ imsettings-list
* 1: IBus[ibus.conf] (recommended)
  2: X compose table[xcompose.conf]
  3: fcitx5[fcitx5.conf]
$ imsettings-switch fcitx5

wayland 環境で fcitx5 がうまく動かないことがあったので,対策として予め環境変数を設定しておく.

$ cat <<EOF | sudo tee -a /etc/environment
export GTK_IM_MODULE=fcitx5
export QT_IM_MODULE=fcitx5
export XMODIFIERS=@im=fcitx5
EOF

NVIDIA GPU 環境を整備する.

NVIDIA のページからドライバを拾ってくる.今回私の環境では NVIDIA-Linux-x86_64-520.56.06.run を使う.

最新の NVIDIA 公式ドライバーをダウンロード
最新の NVIDIA 公式ドライバーをダウンロード

いくつかの必要パッケージをインストールしたら,画面にしたがってドライバをインストールしていく.

$ sudo dnf -y install egl-wayland kernel-devel
$ sudo sh ./NVIDIA-Linux-x86_64-520.56.06.run

おそらくこの時点では modeset の値は Nとなっていると思うので,NVIDIA のドライバを使うよう GRUB の設定を変更する.

$ sudo cat /sys/module/nvidia_drm/parameters/modeset
N

GRUB_CMDLINE_LINUX の値に nvidia-drm.modeset=1 を追加する.GRUBを再構成してから再起動.これで NVIDIA GPU を利用する環境が整ったので,再起動後は wayland を利用できる.

$ grep GRUB_CMDLINE_LINUX /etc/default/grub
GRUB_CMDLINE_LINUX="nomodeset rhgb quiet"
$ sudo vi /etc/default/grub
$ grep GRUB_CMDLINE_LINUX /etc/default/grub
GRUB_CMDLINE_LINUX="nomodeset rhgb quiet nvidia-drm.modeset=1"
$ sudo grub2-mkconfig
$ sudo reboot

再起動後は modeset の値が Y になっているはず.

$ sudo cat /sys/module/nvidia_drm/parameters/modeset
Y

おわりに

Cinnamon よりも使いやすいかもしれない.たまに Super キーでメニューが表示されないことがある.CapsLockの状態を切り替えると直ったりする気がする.それ以外は今の所問題なさそう.

fcitx5 も正常にインライン変換できる.

そろそろ Fedora 37 もリリースされそう.いい機会なので,アップグレードの流れも今後確認しておきたいところ.

References

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